飲食店の店舗基準について
飲食を提供する店舗は衛生管理について特に気を付けなければなりません。食中毒の予防やお客様の健康を守るために非常に重要です。今回は飲食店の店舗について詳しく説明します。
1. 営業施設基準の基本的な考え方
- 衛生的に食品を取り扱える構造であること
- 害虫・ねずみの侵入を防止できること
- 作業エリアごとに区分が明確であること(調理・洗浄・保管など)
- 清掃・消毒が容易で、汚れやすい場所の素材が衛生的であること
2. 主な施設基準(飲食店の場合)
① 調理場(厨房)について
- 調理場と客席・外部は壁や戸で区切る
- 床は耐水性・清掃しやすい素材(タイルや塗床など)
- 壁・天井も洗浄可能な仕上げ(防湿・防カビ塗装等)
- 排水は床に勾配をつけ、排水溝に防虫網を設置
- 照明は充分な明るさ(概ね300ルクス以上)
② 手洗い設備
- 従業員用と客席用は原則別に設置
- 温水が出る手洗い器(厨房内に必須)
- 固形石けんではなく液体石けん、ペーパータオルまたはエアタオルを備え付け
③ 器具洗浄設備
- シンクは2槽以上
(食器洗浄機がある場合はシンク1槽でも可の場合もある。) - 野菜や食材洗い用のシンクは専用で別に1槽が望ましい
④ 冷蔵・冷凍設備
- 食品ごとに十分な容量の冷蔵庫・冷凍庫
- 温度計の設置(冷蔵は10℃以下、冷凍は-15℃以下)
⑤ 食品保管
- 原材料・調理済食品・廃棄物を明確に区分して保管
- 常温保存の場合も直射日光を避け、防虫防鼠対策が必要
⑥ 害虫・ねずみ対策
- 出入口や窓に網戸・自動ドア・ビニールカーテン等
- 排水溝、換気口に防虫網や格子を設置
⑦ 更衣室・トイレ
- 従業員用更衣スペースを設置(厨房内に私物を置かない)
- トイレは厨房から直接出入りできない構造にし、手洗い器を併設
⑧ 換気・排煙
- 厨房の火気設備に応じた換気フード・排煙設備を設置
- 油煙・臭気が店外や隣接施設に流れないよう配慮
3. 保健所がよく指摘するポイント
- 厨房内の手洗い器の設置忘れ(特に小規模店舗で多い)
- 野菜・食器のシンクが兼用になっている
- 冷蔵庫の温度計が壊れている、または表示が見えない
- 客席トイレに手洗いがない
- 床や壁の仕上げが清掃困難な素材(木のむき出しなど)
まとめ 下記のポイントに注意して準備を進めましょう。
- 厨房と客席が区切られている
- 厨房に温水付き手洗い器がある
- 食器用シンクが2槽以上ある
- 野菜洗い専用シンクがある
- 冷蔵・冷凍庫に温度計が付いている
- 照明は十分な明るさがある
- トイレは厨房と直接つながっていない
- 出入口・窓に防虫網を設置
- 床・壁は耐水性で清掃しやすい
- 害虫・ねずみ侵入防止の対策済み
飲食店営業許可についてご相談のある方は
行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所
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